ゆずゆず温泉

これまでちょっと冬眠中でしたが、これからは春眠暁を覚えずで行きます(だめじゃん)。

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氷の姫と名を秘めた王子の物語(5)

☆続き物です。先に(1)(2)(3)(4)をお読み下さい。

________________________________

 彼の唇が、私のそれと重なった。

 不思議な感触だった。
 柔らかく、熱く、甘く――しかしどこか荒れていた。
 砂漠の砂のようなざらつきは、そのままこの男が歩いてきた長い道のりを感じさせた。
 唇が離れても、しばらくは何も出来なかった。
 何も考えられなかった。

「・・・わたしを?」

 小さく呟いた声が震えていた。
 私は泣いているのだった。
 涙で目が霞む。
 頭の芯が熱くなる。
 譫言のように繰り返す。

「わたし・・・わたしを・・・」
「あなたを」

 さがしていた。

 そして今、彼は見つけてしまったのだ。
 私を。

 激しい悪寒が体を貫いた。

「――だめ!」
 叫んで、力一杯押しのけた。
 不意をつかれて、彼の腕が一瞬緩んだ。
 私はその腕から逃れたが、勢いを足が支えきれず、地面にくずおれた。

「だめ、だめ、だめ。――いやあああああ!!」

 多分それは生まれて初めて上げる、絶叫。
 故に私は、それが自分の声であることを心のどこかで認められずにいた。

   ∽∽∽∽∽

 秘密は私の胸の中にある。

 ――私は生まれ出てくる為に母を殺しました。

 誰にも触れさせてはいけない秘密。

 ――だから父は本当は私を憎んでいます。

 先祖の墓所で流された血。

 ――望んだのです、賊たちが死んでしまえばいいと。

 初めて私の為に刎ねられた首。

 ――目の光が蛇よりも狡猾でいやらしくて、絶対に触れられたくなかった。

 血を捧げなければ、民が。

 ――何よりも自分たちが可愛い身勝手な輩。飛び散る血潮にその目がどんなに輝くか気がついてはいないのか。殺せと言い赦せと言い痛めつけろと言い哀れと言う。身勝手な、身勝手な、身勝手な

 国が。

 ――滅びるならば滅びてしまえ。

 私の為に死んだ男たち。

 ――愚かだ、あまりにも愚鈍だ。謎を解けもせぬ馬鹿が何故それに挑む。お前たちの首が飛ぶのは勝手だが何故私がその痛みを味わわねばならぬ。

 そして私の為に死んだ女。

 ――憎らしかった。端女風情が。どうせならもっと苦しませてから殺せばよかった。

 話してはならぬ。

 ――話せるわけがない。


「やめて!」

 見ないで。
 来ないで。
 触れないで。

「愛せない、愛せないの!!」

 わたしは誰も愛せない。
 誰のことも愛おしいとは思えない。
 
 誰の痛みも本当には感じられない。
 誰のことも心の底から哀れとは思えない。

 氷の心の皇女。

 求婚者たちの首を刎ねてきたのも、本当はそれを私が望んだから。
 誰のせいでもない。
 きっと私が心の奥底でそれを望んだから。

 だから誰も私のことを愛さない。
 そうでなければならないの。
 だって私は誰のことも愛せないから。

 ――あの女。リューと呼ばれた。
 ――あの女と同じ状況に立たされたら。
 ――私はきっと負けるでしょう。話してしまうでしょう。

 そんな私が。
  愛されてはいけないの。

   ∽∽∽∽∽

「・・・愛せない?」
 静かに静かに男が聞いた。
 私はうなずいた。
 泣きながら、大声で泣きながら、激しく何度もうなずいた。
「私を、ですか?」
 重ねて問われる。
 うなずきかけて・・・けれど首を縦に振ることはどうしても出来なかった。
 違う。
 あなたを愛せないのではない。
 首を横に振る。
「・・・誰も。・・・私は、誰のことも・・・」

「それでも私は、貴女を愛しています」

 男の声はどこまでも静かだった。
 穏やかだった。
 また、あの今にも泣きそうな笑みを浮かべているのだろうか。

「やめて!」
 私の金切り声が辺りに響く。
「嘘! 嘘じゃ! お前は何も知らぬ! 私のことなど何ひとつ――」
「愛しています」
「――私は、――っ、あの女を殺したのだぞ!? おまえも見ていただろう!」
「いいえ違います、あの女は自ら命を絶ったのです」
「追いつめたのは私だ」
「ならば――見殺しにしたのは私です」

 その声は不意にひどく怜悧で――異様に正しかった。

 私は唾を飲み込んだ。
「お、お前は、囚われていた。私が命じたのだ」
「口は塞がれておりませんでした。私が一言、私の名を明かせばよかったのです」
「――だが、明かしたらお前は死ぬ。自らの命がかかっていたのだ、誰もお前を責めはせぬ――」
「勝手に命を賭けたのは私自身です」
どこか楽しげな響きすらあった。
「貴女こそ何もご存じない。私がここでこうして貴女のそばにいる為に、どれ程のことをしてきたのか」

 淡々と男は語る。
 あの目の見えない年老いた男は私の父です。
 私は、私を頼みにし、取り縋るあの人を突き飛ばして銅鑼を叩きました。
 目の前で痛めつけられる彼を見ても、かばい立てすらしませんでした。
 たとえあの後彼がどんなにひどい拷問にあったとしても、決して私は私の名を明かさなかったでしょう。

 嘘だ。
 あの老人と女が引き立てられた時、この男はあんなにも青ざめて、取り乱していたではないか・・・。

 大臣たちにも、それから民にも、散々なだめすかされました。
 懇願もされました。
 即刻この国から立ち去るように。
 さもなければ自分たちがひどい目にあわされると。
 けれど私は、その声にも耳を傾けませんでした。
 彼らがどうなろうと知ったことではなかった。
 私はただ、あなたが手に入ることを思って嬉しくて、夜明けを待ち望んでいたのです。

 嘘だ。
 ・・・嘘だ。
 だが、そう言い切る根拠は私にはなかった。

「・・・私が何故、貴女に謎をかけたかわかりますか?」
 男が聞く。
 考えてもみなかった。
 私はおずおずと答えた。
「・・・・・・謎は・・・誓約だから、か?」
「いいえ」
 澱みのない声。
「貴女に求めて欲しかったのです。私の名前を、全霊を賭けて。私が貴女の名前を求めたのと同じだけ」

 ――意味が、わからなかった。
 だが何故か心臓が大きく高鳴った。
 確かに私は、求めた。
 この男の名前を。――狂おしい程に。

 だが、続けられた男の言葉に、私は戦慄を覚えた。

「尤も、謎をかければこうなることはわかっていたのですが」

   ∽∽∽∽∽

「・・・わかって、いた?」
 掠れた声で私は問うた。
「ええ」
 男は答えた。はっきりと。
「怯えた民が、私と親しい者を捜し出して、その秘密を聞き出そうとすることは、容易に予想が出来ました」

 ――眩暈がした。

「それでも私は、貴女に求めて欲しかったのです。私の名前を」

 男の声が、姿が、遠ざかる。
 馬鹿な、まさかそんな。
 それだけのことで。
 たかだかそれだけの為に。
 起こるかもしれない災いを見過ごしたのか。
 むしろそれを――待って――望んで。

 熱い。

 思わずびくりと身がすくむ。
 男の手が私の腕を掴んでいた。
 熱い。
 痛い。
 熱い。
 こわい。
 いやだ。

「放、せ・・・っ」

 だが男は私を放さず、再び唇を重ねてきた。
 先程と違う、荒々しい息遣い。

 こわい。

「――や、いやぁっ!!」
 力の限り暴れる。
 けれど男の力は強い。
 抗うことも叶わず、私は草の上に押し倒されていた。
 馬乗りになった男が、私の両手を押さえつける。
「放せ、汚らわしい!!」
「――汚らわしいと、おっしゃいますか?」
 男の声はぞくりとする程低く、冷ややかだった。
 思わず身が固まる。
 息が詰まる。
「・・・私を、赦せませんか?」
 続けて男は問うた。
「貴女に告げていないことはまだ山のようにあります。私は私の国を滅ぼしました。幾多の命を己の欲の為に犠牲にしました。実の弟と母さえ――この手にかけました」
 その声の切なる様子に、私は恐る恐る彼に目線を向けた。
 まだ夜の明けぬ暗い空を背に負って、彼が私を見ていた。
 こわかった。
 こんなに恐ろしいことを口にしながら、彼は薄く笑っていた。
 笑っていても、本当は泣きたいのだと思った。
 そして目の中にはそれでも、変わらぬ炎があった。
 彼の存在自体が、こわくて――悲しかった。

「赦せませんか?」
 もう一度彼は問うた。
 私は何も言わず、黙っていた。
 何も言えなかった。
 赦さない。と思った。

 否。
 赦されないのだ、と。

 長い長い沈黙があった。

 男が顔を歪めた。
 今にも涙を振り絞りそうなそれは――これまで見た中で一番の笑顔だった。



「それでも私は、貴女を――ゆるします」

















 ゆるします。

 ゆるします。

 ゆるします。


 頭の中が空ろになる。
 ただ男の言葉だけがこだまする。

 ゆるす?
 わたしを?

 わたしは、ゆるされるのか?
 わたしが、ゆるされたのか?




 赦しを乞うているのは男の方であったのに。
 そして私は彼を赦せぬと思っているのに。

 私を・・・ゆるすというのか。

「・・・」

 言いたいことはあるはずなのに、言葉が口から出てこなかった。
 男は背を丸めた。
 そして、私の首筋にそっと頬を寄せた。
 今は襟で隠されている、首周りの傷痕が、まるで見えているかのように。

「あなたが私を赦さなくもいい。誰に赦されなくてもいい」


 わたしはあなたをゆるします。




   ∽∽∽∽∽

 どのくらいそうしていただろう。
 彼が私の上から退いた。
 不意に感じる肌寒さ。
 夜明けが近いことを空気が教えている。

 手を取られ、そっと起こされる。
 座ったままの私の傍らに男はひざまずき、私の手の甲に唇を寄せた。

「――問うて下さい。私に、私の名を」

 問うたならば、彼は答えるのだろうか。
 告げるのだろうか、私に、その名を。
 彼がかけた謎の答えを。

 告げるのだろうと思った。
 たとえそれが・・・彼の敗北、彼の死を意味することになろうとも。
 彼は私に委ねたのだ。彼の命を。

 私は、彼に赦された。
 けれど私にかけられた呪いは解けはしない。
 血を捧げなければ国が滅びる。

 私は彼のものにはなれない
 捧げ続けなくてはならないからだ、血を。
 私を求める男たちに謎をかけ、誓約を結び、謎を解けぬ者たちの首を刎ねる。
 民は血に湧き、血に酔い、血を喜ぶ。

 私は彼のものにはなれない。

「・・・異国の人よ。あなたがやってきた時に、私は不安のうちに感じました。この上ない禍が避けられぬと、おののきました」
 そう、その目の光、その炎。
 一目見たその時に、私はすでにこの男に常ならぬ特別なものを感じていたのだ。
「故に私はあなたを憎み――そして、・・・愛しました」
 私の手を取る男の手に、微かに力が入った。
 だが、もう私たちはこれ以上、こうして手を取り合っていることはできないだろう。
 刻限が迫っている。

「お去り下さい、異国のお人。あなたの謎とともに」
 それが私に出来る精一杯だった。
 彼の命を奪いたくはなかった。
 私を赦してくれた、たったひとりの人。

「・・・名を、求めては頂けませんか?」
 うつむいたまま男が言った。
「あなたの命までも求めることになります」
「――ならば命を、求めて下さい。貴女は貴女の理に従うべきだ、トゥーランドット」

 彼が私の名前を呼んだ。
 答えて呼ぶ名を、私は知らない。
 ――知りたかった。
 この男の名前を知りたかった。
 どうしてもどうしても、知りたかった。

「そなたの、名前は?」
「私の名はカラフ。旧ダッタン国の王子です」

 カラフ。
 それがこの人の名前。
 この人の謎の答え。
 知ってしまった。
 謎は解かれた。
 誓約は神聖。
 違えることは叶わぬ。

「私はそなたの名前を知りました」
 カラフはうなずいた。
 その目の中の炎は、変わらず燃えていたけれど、どこか優しく、清々しくあった。
「貴女に名前を呼ばれることが、我が栄光です」
 ちょうどその時、夜明けを告げるラッパが鳴り響いた。
「・・・いよいよ刻限ぞ。謎解きの時刻ぞ」
 自分の手が、微かに震えていることに気がついた。
 立ち上がろうとする足も、言うことを聞かない。

 カラフが私の手を握ってくれる。
 それでもまだ心は落ち着かなかった。
 この手が、永遠に手の届かなくなるところへ行ってしまうかと思うと、涙があとからあとから溢れ出た。

「・・・こわい」

 初めて、その言葉を口にした。
 カラフが私を抱きしめる。
 温かい胸に頬をつけ、私は泣いた。

「ゆるして」

 やはり初めて口にするその言葉を繰り返しながら、私は泣いた。

 カラフはそっと私の髪を撫でた。

   ∽∽∽∽∽

 階の下にカラフを残し、私は父王の待つ壇上へ昇っていった。
 朝日が世界をまばゆく照らす。
 高台も広場にひしめく民たちも街も城も、全ては朱の色に染まっている。
 血の色によく似ている。

「父君陛下」
 私は声を張った。
 いつもと同じ、氷の声を。
「私は存じております、異国人の名を!」

 顔を上げる。
 目に暁の色が焼き付く。
 ――と、その中に私は一つの光を見つけた。
 明るさを増す太陽に負けない程の瞬き。
 明けの明星。





 ――ずっと以前から知っていたような気がした。
 初めてカラフの目を見た時。
 昨夜眠れず星を眺めた時。
 そう、あれは、初めて『人に火を与える氷』の謎を聞いた夜。
 夢の中で私は泉のほとりに立っていた。
 夢だとわかっていた。
 だから、少しだけならいいかと思ったのだ。
 冷たく清らかな水に頭の先まで浸かろうとしてもよいのではないかと。
 夢の中だから、夢の中だけだから。
 本当に命を絶つ訳ではないから。
 けれど踏み出す足の先で見る間に泉は凍り、私はどんなに願ってもその向こうへ行けなかった。
 水に還ることが出来なかった。
 夢の中ですら、私は――しもべなのだ。
 悲しくて、悔しくて、氷を叩いて、泣いた。

「駄目だ、いけない!」

 声が聞こえた。

「いかないで、いってはだめだ」

 まさかそんな、と思って振り向いた。
 そこに星が瞬いていた。
 なんだかひどく懐かしくて、胸の奥まで届いて力になるような、光だった。




 父王が私を見ていた。
 胸をつかれた。
 悲しい顔だった。
 寂しい顔だった。
 不安そうな顔だった。
 そして優しい顔だった。
 カラフが謎を解いた時に誰よりも喜んでいた。
 私はそれを、呪われた皇女が打ち負かされたことを喜んでいるのだと感じた。
 けれど本当はきっと、娘が幸せな結婚をすることが嬉しかったのだ。

 家臣たちが私を見ていた。
 侍女たちが私を見ていた。
 民が私を見ていた。
 ひとりひとりの顔がよく見えた。
 それぞれに日々憂い、悩み、恐れ、怒り、人を傷つけ。
 それでも小さな幸せを求め、それを得て微笑む。
 誰かのことを大切に思っている。

 愛おしい。
 胸の奥から湧きあがる思い。
 愛おしい。
 なんて愛おしいのだろう。
 私はこの人達を守りたい。

 けれど。

 けれど私は。

 階の下に目を向ける。
 カラフが私を見ていた。
 その懐かしい瞳で。

 けれど私は。
 その愛おしい人たち、愛おしい国、愛おしい世界全てよりも。
 あの人を愛している。

 たとえその為に誰が犠牲になっても。
 誰を傷つけても。
 民が国が世界が滅びても。

 ゆるして、と乞う必要はなかった。
 彼は私のすべてをゆるしてくれるのだから。
 他の誰にゆるされなくても、彼が。



「存じております」
 私はありったけの声で伝えた。
「このお方の名前は・・・愛にございます!」

 カラフの顔が暁よりもまぶしく輝いた。
 階段を駆け上ってくる。
 強く抱きしめられた。
 私も彼を抱きしめ返す。
 熱い。
 私をとかす、炎。

「愛と!」
 人々が両腕を差し伸べて、花を投げ上げる。
 朝日は薔薇色に世界を染める。

「太陽よ、命よ、永遠よ!
 この世の光よ、そして愛よ!
 太陽のもと、笑い、歌う、
 我らの限りなき喜びが!」
 歓喜の声が国中に響く。
「貴女様に栄光あれ! 栄光あれ!」

 そして私は、自分の中の黒い雲が晴れていくのをはっきりと感じた。 
 呪いが解かれた。
 それは確信だった。
 もう誰も、何も犠牲にすることはないのだ。

 生きていこう。
 赦されながら。
 ゆるしながら。
 罪を背負い、愛を抱いて。

<終>

________________________________

☆あとがき

終わったああああああ!!
 ていうか終わらせた!!

ということで、常にない程長くお付き合い下さいました私的解釈・トゥーランドット、どうやら終幕までこぎ着けました。
もう最後の方ぐだぐだですけど!
言葉とか全然浮かばなくてボキャブラリーの貧困さが嘆かわしいのですけれど。
あと漢字とか絶対間違って使ってる。
でもとにかく終わったからいいの。

いやー、もう。
オチ考えないで見切り発車したもんで、ひやひやでした。何とか思いついて、最終話書き始めたら今度は話があらぬ方向へ転がっていくし。
カラフが、カラフがいけない。
困ったちゃん過ぎる。
いや、困ったちゃんにしようと思って書いたし困ったちゃんが重要なファクターだと思うから仕方ないんだけど、それにしたって困ったぞ。

直球勝負(と言えるかどうかは疑わしいですが)で女の子を口説くというか落とす話は実に実に久しぶりに書いたので、楽しくもあり、つらくもありました。
(もしかすると初めて書いたかもしれない。――あ、ギルティギアの闇梅は割とストレートだったかも。記憶にある限りあれだけだな。)
体力いりますねえ。
・・・どーも済し崩しに体の関係を持っちゃう話ばっかり書いてきた気がする・・・反省しよう。
(今回も押し倒すまではやっちゃったけどさ・笑)

今度のペアはトゥーランドットだ、ということで、ネットを検索したら一番最初に引っかかったページにこんな事が書いてありました。
「トゥーランドットの元ネタは典型的『謎かけ姫』だ」と。
謎かけ姫。ぞくぞくする響きです。
何故に謎をかけるのか。
それはもちろん、彼女が「巫女」であるからです。
そこからこの話が始まりました。
・・・あらすじだけ読んだらあんまりあれなんで、なんとか二人に共感出来るところまでこじつけたかった、というのが本当のところ。
でも書く為に対語訳を読み進めていくと、こんな設定がなくっても、十二分な程にこの物語には純粋に「愛」が溢れています。
理由なんてあとづけですね。
多分ちゃんとオペラを見たらもっと納得出来るんだろうな。

・・・んー。
トゥーランドット、と言いつつ本当に書きたかったネタは「白鳥の王子」なんじゃないかと思ってます。
ご存知ですか、白鳥の王子。
昔々その昔、アニメ映画で見たのが印象深くて。
ある国の王様の後添えが意地の悪い魔女で、先妻の6人の王子に白鳥になる呪いをかけちゃうんですよ。
妹姫も危うく白鳥にされかけるんですが、危機一髪難を逃れて。
で、兄王子たちの呪いを解く為、上着を編むんです。
とげとげいっぱいのイラクサを摘んで、足で踏んでならし、指で紡いで糸にして、それで編むの。
当然手も足もぼろぼろ。
しかも6年かかるその間、一言もしゃべってはいけないという。
で、洞窟の中でその作業をしている彼女をどこぞの国の王子様が見初めてお嫁さんにしてしまうんですが、そこへまた件の継母魔女が現れて、「あの娘は魔女だ」と入れ知恵する訳です。
疑いをかけられても言い訳をする言葉を持たない妹姫は、火あぶりの刑に処されることに。
ぎりぎりで上着が編み上がって(火刑台の上でも最後の上着を編んでいるんですよ)白鳥の王子たちは人間に戻り、姫の疑いは晴れてなんとかめでたしめでたしなのですが。
――子供心に、納得いかなかった。
妹姫の旦那王子!
何よアンタそれ、自分で我が儘言って嫁さんにしておいて、他人の讒言の方信じちゃうの、愛した女ひとり守ってやれないの!?
それで罪が晴れたらうまうまと元通り?
じょーだんじゃねえ!!
・・・で、今回の私的トゥーランドット。
説明すると全くそのまんまで笑えますね。
ちなみに「白鳥の王子」の作者はアンデルセンです。
またてめえか! と言いたくなります。
マッチ売りの少女といい人魚姫といい、女の子が可哀想な目にあう話書かせるとなんでこんなに生き生きしてるんだろう、この人。

カラフの心の耳にトゥーランドットの声が聞こえていた、のくだりは川口まどかさんの漫画「死と彼女と僕」のネタそのままっぽくてちょっとあれですが、目をつぶってやって下さい。
あと小林弘利先生の「こころを女神に」とか。
まあ黄金パターンと言えば黄金ですよね。ね?

うう。くらくらしてきた。
(連日書き込み記録保持の為投稿日時が13日ぎりぎりになってますが、実際は14日の朝6時です。久しぶりに雀が鳴くまで起きてたぜ。)
通勤電車でまたは会社で(笑)お楽しみ下さい。
(しかし携帯で読める分量なんだろうか、これ。)

あと、この話を取り上げて、宣伝して下さったまる様ガミガミ様、ありがとうございます。
読んで下さる方のおかげでお話はできあがります。
ご期待に添えるものになったかちと不安ではありますが。

ではこの辺で。
サンデー感想でお会いしましょう(笑)。



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百賀ゆずは

Author:百賀ゆずは
昭和生まれ おうし座A型。
好きな食べ物は最後までとっとくタイプ。
別に好きじゃないけど長期休みの宿題は最終日までとっとくタイプ。

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