ゆずゆず温泉

これまでちょっと冬眠中でしたが、これからは春眠暁を覚えずで行きます(だめじゃん)。

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Effet de chocolat(ブリザードアクセル・吹雪×六花)

☆まえがき
注意!
今回の話は、パラレルです。
いやいつもパラレルだけど(笑)、さらにいつもの流れよりパラレルなので、そこのところよろしく。
てゆうかぶっちゃけ接吻などしているので、ダメだって方は今すぐ逃げて下さい。

――警告は、しましたよ?
では続きからどうぞ。

_________________________

 コンビニへ行ったら新発売のチョコレートがあったので思わず買ってしまった。
 女の子のご多分に漏れず、六花はチョコレートが好きだ。高級メーカーのものから日本の一般的製菓会社のものまで、それぞれそれなりに愛している。
 さて、今日買ったのはカカオ分が99%という板チョコ。
 以前はよくチョコレート専門店からビターチョコを取り寄せていたものだが、家を出て寮暮らしの中学生の身ではさすがにそうもいかないから、ちょっと懐かしいというのもあった。
 多分高級メーカーのそれよりは多少味が落ちるだろうが、ものは試しである。
 それに仮にも老舗の製菓会社、チョコレートは○○とコマーシャルで歌っているではないか。そうそう不味いものでもあるまい。
 練習のあとに吹雪と食べよう。疲労回復、健康増進。
 足取りも軽くコンビニを出た。

「へー。これが、なー」
 さて居残り練習後。
 ロッカールームの外廊下、ベンチに腰掛けて。
 吹雪は物珍しそうに、ためつすがめつチョコの黒い箱を見ている。
 と思ったら、六花がちょっと目を離した隙に、
「んじゃ、いただきまーす」
 さっさと開けてしまった。
「あ、ちょ、待っ・・・」
 六花が止める間もあらばこそ。
 銀紙を破いて、ぱき。
 ぱくん。
「~~~~~~~~~~にがっ!!!」
 目を白黒。
 さすがに吐き出したりはしなかったが、一瞬死にそうな顔をした。
 なんとか飲み込んだものの、うええっと顔をしかめて、舌を出している。
「もう、苦いかもしれないから気をつけてって言おうとしたのに――ひとりで先に食べちゃうんだから」
 ちょっと怒ったつもりだったのに、吹雪の様子がおかしくて、どうしても笑ってしまう。
 笑われたのがくやしいのか、ちょっとむくれる吹雪がまたかわいい。
「箱にも書いてなかった? 少しずつ食べるか、甘い飲み物と一緒に食べなさいって。――はい、口直し」
 今自販機で買ってきたばかりの、缶のカフェオレを差し出す。
 その手がつかまれた。
 え、と思った時には引き寄せられて、吹雪の上に身をかがめさせられていた。
 唇が重ねられる。
 ちゅ、と軽い音がした。

「・・・っ」
「――口直し」
 吹雪がにっと笑う。
 目にちょっぴりの悪戯めいた光があるのは、笑われた仕返しのつもりなのだろう。
 六花は無言で、吹雪の額をぴしゃりとはたいた。
「てっ」
 悲鳴は無視。
 カフェオレを押しつけて、それでも隣に座る。
 自分の分のプルトップを開けて、温かくて甘い液体を口にする。
 吹雪もそれに倣う気配。
「・・・ん?」
 何やら首を傾げている。が、ここでこちらから歩み寄るのも癪なので、正面を向いたまま、なかば無視。
 ぱき。
 小さな音がした。
 横目で伺うと、チョコの欠片を口に含んでいる。
 苦いって言ってたのに――。
「六花、ちょっと」
「なに・・・」
 呼ばれて顔を向けたら、吹雪の顔がびっくりするほど近くにあった。
 またしても重ねられる、唇。
 今度はちょっと長い。
 ベンチに置いた手に、吹雪の手が乗せられる。
 探るように動く、吹雪の唇・・・。
 思わず息を詰めてしまって、苦しくなる頃にやっと解放された。
「・・・ふ・ぶ・きぃ?」
 何の真似、と凄みを利かせて言ったつもりなのに、当の相手にはさっぱり通じない。――息が乱れているせいだけじゃなくて。
「うん、甘ぇ」
 吹雪はぺろりと自分の唇を舐めた。
「発見。これ食ったあとだと、ものの味がよくわかるぞ」
「・・・は?」
「コーヒーなんかすげー甘ったりぃ。・・・六花の唇がちょうどいい」
「――って、あのね・・・」
 何と答えるべきなのか。
「論より証拠。食ってみろって」
 ぱき。
 ひとかけ割って、六花の口元へ持ってくる。
 軽く開いていた唇に、挿入される硬くて冷たい塊。
 チョコレートの芳香。
 吹雪の指が、欠片をそっと押し込む。
 触れられて、心臓がきゅっと縮まる。
 ちょっと硬い指先の皮膚の、微妙な塩辛さ。
 舌先に苦みが溶ける。
 刺激を受けて、唾液が分泌されて――。
 三たび重ねられる、吹雪の唇。

 あ。ほんとだ。

 甘い。
 人の唇、粘膜の、微妙な味が確かにいつもよりよくわかる。
 ちょっと角度を変えると、また違う部分が触れ合って、新しい味がする。
 肩に腕が回された。
 吹雪の舌が、溶けきらないチョコレートを舐め取るように、六花の舌に絡んでくる。
 思わずそれに応えてしまった。
 ぴちゃ、ぴちゃ、と濡れた音が耳の内側から響く。
 その唾液は、チョコレートを食べたあととは思えないほど、粘度が低くて、軽くて、清らかな感じがした。

「・・・な?」
 さすがに、吹雪の息も多少上がっている。
「ん・・・」
 上気した頬が熱い。
 恥ずかしくて直視出来ず、人差し指の第二関節あたりを唇に当てて、うつむいた。
 ぱき。
 また、硬い音。
 吹雪が新しい欠片を口で割り折っていた。
 それをくわえたまま顔を近づけてきて、軽くあごをしゃくる。
 ・・・なんでこういうこと思いついちゃうのかしら、この人。
 意図するところが理解出来て正直微妙な気持ちだった。
 が、体は気持ちを裏切って、その欠片の反対側の端を唇で受け入れていた。閉じていく吹雪の瞳に引き寄せられるように。
 チョコレートが、次いで吹雪の唇が、六花に触れる。
 二人の熱でチョコレートが溶けていく。
 苦い。
 苦いんだけど、甘い。
 溢れる唾液を零さないように、より深く互いの唇を重ねる。
 なんだか体の力が抜けてしまって、壁に背をもたせかけると、吹雪はくちづけたまま追いかけてきて、両腕を壁について六花の退路を断つのだ。
 電気はついているけれど薄暗い廊下の一角で、長い長いキスを続ける。
 せめてロッカールームの中へ行こうよ。
 いつそう言い出そうか、心の半分で迷いながら。
 


「あー、六花ちゃんお帰りー。遅かったね」
 小雪の声が無邪気すぎて、心臓に悪い。
「あ、うん、ただいま・・・」
「あれ? 吹雪くん一緒じゃなかったの?」
「・・・あ、先に食堂に」
「そうだよね、お腹空いたでしょー。居残り練習お疲れ様っ。・・・そうそう、デザートにこれ食べない?」
 小雪は手に持っていたものを六花に見せた。
 黒い箱のチョコレート。
 こくんと喉が鳴ったのは、ほとんど条件反射だ。
「新発売なんだよー。カカオ分なんと99%! ポリフェノールたっぷりで美容と健康にいいと思うの」
「え、と、そうね・・・」
「・・・ただね、これちょっと苦いんだよね」
 もう味見はしたあとなのか、小雪が「むー」という顔で箱を開ける。
「良薬口に苦し、よ」
 声は思わぬところから降ってきた。
 晶が二階から降りてきたのだ。
「薬なんですかー?」
 小雪が首を傾げる。
「昔からね。お菓子扱いされるようになったのはむしろ最近」
 近寄ってきた晶の手がすっと優雅に差し出された。
 小雪は大きめにチョコレートを割って、乗せてやる。
「やっぱり美容と健康の?」
「それもあるけど・・・一番の効能はやっぱり」
 ふ、と微かに笑いながら、晶の口が黒い塊を含む。
「やっぱり?」
 無邪気に先を促す小雪の横で、六花は身の置き所の無さを覚えていた。
 今晶と目を合わせたくはない。
 でも完全に視界から外してしまうのも怖い。
 晶はそんな六花を見て意味ありげに微笑んだ――ように見えた。

「一番はやっぱり、媚薬ね」

 ぱき。

 六花としては、自分の顔色が目に見えて変わっていませんようにと祈ることしかできなかった。

<終>
_______________________

☆あとがき

いや、だから、逃げてって。

先日買ったチョコレートは、最初苦いと思ったのですが、慣れてくると美味しいことが判明いたしまして。
それ自体も美味しいし、そのあとで緑茶を飲むと何とも言えない上品な甘みが感じられて。
・・・・・・それで思いついたのがこれかよ!
と言う感じもいたしますが。
思いついちゃったもんは仕方がない。
210円のもとは十分に取りました。

本当は漫画で描きたかった。
でも、実力無くて描けませんでした。
漫画では(というか最初の思いつきでは)「口直し!」までだったんですけどね。
漫画で描くの断念して、文章で書くんなら少し長くするか、と思ったらこんなになりました。

で、まあ、一応、悩んだんですよ。アップするにあたっては。
今までは、一応、健全だったので。
裏を作るの待つか・・・でもいつになるかわからないし・・・裏ってほどでもない気もするし。
相方に聞いてみました。
「ブログでどこまで書いていいものだと思う?」
「どこまででも」(即答)
――いい相方を持ったものです。

そんなわけで、私が悪いわけじゃない。
相方と、チョコレート効果がいけないのです。
私に悪い点があるとするなら、漫画が描けないというその一点だけです。多分。

タイトル「Effet de chocolat」は「チョコレート効果」の(ムリムリの)フランス語訳。
「キスが美味しくなるチョコレート」とかいう惹句つけたら売れないだろうか。
・・・ほんとに美味しくなるかは試してないけどね。

(4/25夕方追記:文章一部手直し。間違い探し出来るほどごく一部。
よく考えてみれば、吹雪×六花である必然性のない話かしらん、とちょっと思ってしまったが、まあ気がつかなかったことにしよう。)



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Author:百賀ゆずは
昭和生まれ おうし座A型。
好きな食べ物は最後までとっとくタイプ。
別に好きじゃないけど長期休みの宿題は最終日までとっとくタイプ。

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